2009年3月23日 (月)

島倉千代子 55周年

 島倉千代子が、歌手生活55周年を記念する新曲「風になる」(コロムビア)を出した。新たな分野への挑戦を続ける70歳。今回はフォーク調のほのぼのとした作品だ。(桜井学)

 「この世の花」(1955年)や「東京だョおっ母さん」(57年)といった昭和を象徴する数々のヒット曲では、声を巧みに震わせ、感情の揺らぎを表現した。かつてはこうした「泣き節」が中心だったが、軽快なポップス調の「人生いろいろ」(87年)や小田和正が手がけた「あの頃にとどけ」(95年)など、年を追うごとに次々と新たな分野にチャレンジしている。

 「(作詞・作曲の)先生方や関係者が、違うものを歌わせたいと思ってくれて、初めてできることですから。私は勉強させていただいてるんです。ものにしたときの喜びは格別です」

 本作もフォークの雰囲気のある作品で、70年代の懐かしい感じを狙った。「歌うよりも、語る」という意識で取り組んだという。

 「以前に渡哲也さんの歌を聴いて感動でふるえたんです。どうしてこう歌えないんだろうって思った。言葉を大切に、自然体で思いのままに歌っているすばらしさを感じた」

 自分の歌はどうしても力んでしまう。そうすると、音程もおかしくなる。自我を出さずに、歌詞の持つ意味をそのまま伝えたい。そういう思いから、「今回も自然に歌うように心がけた」という。

 「思い出をめくったら いいことだけしか出てこない 笑った顔しか出てこない」という歌詞が印象に残る。「その通りなんです。つらいこと、嫌なこと、悲しいことがたくさんあったけど、泣いた顔は出てこない。だから(私自身も)前へ進んでこられたんだなあと」

 借金や病気など、島倉は様々な苦難に見舞われて来た。しかしどんな時も歌うのをやめなかった。支えてくれるファンのことを第一に考えたためだ。

 「50周年のリサイタルの時も、声が出なくなったんです。でもたくさんのお客さんが来てくれて、その力で、当日になって歌えるようになった。それからは、もう恩返ししかないと思っています。カラオケ持って、村おこしや町おこし、お祭りの会場などにも行ってます。それまで触れあえなかった人たちと、触れあえるのが幸せです」

 はにかんだ表情はまるで少女のよう。「いまだに(ステージで)セーラー服着ているんです。そうすると、お客さんも昔に戻るみたい。歌っている限りは、着たいですね。気持ちは10代のままですから」

2009年3月21日  読売新聞)
 
よく声出ますよねぇ・・・

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